ネットで見つけた人怖話の体験談を紹介していきます!

怖い家族, 怖い投稿者, 怖い祖母

祖母に名付けられた名前

名前にまつわる怖い話

名前にまつわる怖い話

私は30代真ん中あたり。
かなりのダサネーム。

同級生にリカとかエリカとかが現れる世代でその反面、マサコ・トシコもまだちらほらいる。
でも私はブッチギリのダサネーム。

私が生まれる頃、実母は脳内お花畑満開だった。
私が女の子だと判明していて、実母は『樹莉亜』と名付ける気満々だった。

父は微妙に反対して、もうちょっと古風な名前を望んでいた。
姑である父方祖母は大反対し、母の入院中に勝手に出生届けを出した。
そして私は名付けられた。
『茂子』と。

父方祖母の妹と同じ名前らしい。
その妹は戦時中にペニシリンがなかったので、病気で苦しんで5歳で死んだと。
父方祖母が一日たりとも忘れたことがない愛しい妹の名前だそうな。

出生届が勝手に提出されたと知って、実母は気が狂って廃人のようになった。
産後の体調がよくなかったみたいで実家に返品され、なぜかそのまま離婚手続きが進められ、私は父子家庭に育った。

子供時代、名前をからかわれてシぬほどいじめられた。
中学高校になると、仲良くしてくれた女友達は私のことを『しょう子ちゃん』と呼んでくれた。

実母と連絡はとれなかったが、父子家庭も最悪だった。
父方祖母が母親代わりに育ててくれるかと思いきや私はシンデレラのようにこき使われ、中学出たら働けと命じられた。

担任の説得も無視して高校受験させてくれなかった祖母。
仕方なく中卒で働き、収入は全部吸い上げられたがこっそりヘソクリして家を出た。

フリーターしながらお金を貯めて定時制高校に通い、高卒資格を取って奨学金で大学にも通った。
卒業後に就職して奨学金を返済し、やっと一人前になった。

新卒で入った会社は環境もよかったんだけど、とある方法で名前を変えることができると知ってとある職業に転職すべく、退職した。
そして私は友人達の反対を押し切り生保レディになった。

毎日毎日歩いて一般家庭を訪問した。
正直、かなりきつい仕事だった。
でも私の目標は別にあった。

『未婚の息子がいる、私と同じ名前の中高年女性』を探した。
なかなかみつからず3年かかったけど、やっと見つかった。

同じ名前ということで意気投合し、私を家にあげてくれた茂子さん。
保険の話そっちのけで仲良くなり、独身だという息子さんを紹介された。

正直、タイプではなかったし、10年以上年上だし、周りが必死で止めるほど、私には不釣り合いな男性だった。
若干ハゲかけて中年太りでイケメンでもない地味なオッサン。

でも仕方なかった。
私はどうしても彼と結婚しなければならなかった。

「僕なんかよりもっといい男性が…」

という彼の心配を無視して私達はスピード婚約した。
そして旦那を出し抜いて、茂子さんに同居したいと直接申し入れた。

しょぼくれた中年の一人息子の結婚すらとっくに諦めていたのに若い嫁が来たばかりでなく、将来の介護要員候補で同居したいとの申し入れ。
茂子さんは舞い上がり、近所からはそれはそれは羨ましがられた。

入籍と同時に旦那の実家に住民票を移すことになり、私の人生の目的が達成された。
同じ家に同じ名前の人が2人になる場合は、後から転居してくる方が改名できる。

そして私は結婚と同時に『茂子』でなくなった。
辛かった生保の仕事もやっと辞めた。

新しい名前は何でもよかった。
茂子以外なら何でも。
生まれてから会ってないけど、せっかく実母が用意してくれた名前なんだからと新しい名前は『樹莉亜』にした。

結婚してあげた時点で私の言いなりだった旦那は反対しなかった。
茂子さんも

「同じ名前じゃなくなって淋しい」

と言っていたが、将来の介護奴隷ゲットと同じ名前のご縁なのウフフを天秤にかけて当然のように介護奴隷を選んだのだろう。
反対されなかった。
ここで私のミッションは終わった。

あとは頃会いを見て離婚するだけだった。
旦那には内緒だけど離婚する前提で結婚したので、そもそも私側の親戚も呼べないので結婚式は地味に、招待客も少なく、ご祝儀ではなく披露宴なのに二次会のような会費制にした。

離婚も思ったよりスムーズだった。
そもそも愛して結婚したわけじゃないので、夜が苦痛だった。
そのうち旦那がどんどん嫌いになり、旦那の顔を見ると吐き気がするレベルになった。
結婚から半年後

「ごめんなさい、あなたに対する愛情が冷めたの」

と一方的に別居してアパートを借りた。
姑が興信所で浮気調査をしたけど、浮気もしてないので真っ白だった。

半年の別居を経て、離婚成立。
愛情が冷めただけで浮気もしてないので、私が有責というわけではなく慰謝料なし。
ちょこっとあった共同貯金は全部旦那にあげた。

元旦那と元姑には申し訳ないと思うけど、『茂子』という名前を捨てるには、こうするしかなかった。
『ダサいから嫌』って理由じゃ、役所では改名が認められなかったからね。

実母の姑が勝手に出した出生届のせいで、たくさんの人の人生が狂った。
ちなみに実母は廃人になって拒食症を経て衰弱死したと大人になってから知った。
でも元旦那と元姑には短い期間だったけど夢をみさせてあげたと自分を納得させている。


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