元夫がアルコール依存症になった時が修羅場。
きっかけは転勤で、転勤先の空気が元夫に合わなかった。
その土地の悪口になるから詳しくは書けないけど、気風が違い過ぎた。
私は資格職でどこに行ってもまあまあ働き口はある。
でも夫は潰しがきかない業種で、だから会社にしがみつこうとしてストレス解消のため酒に逃げた。
もともと毎晩晩酌する人で、一日ビール2~3本だった。
でも段々隠れ酒するようになっていたようだ。
間の悪いことに私の親が病気をして、一カ月ほど実家に帰った。
元夫がやけに機嫌よく後押ししてくれるなーとは思ったんだ。
私がいない間、飲めるからだったんだよね。
全然気づかなかった。
毎晩電話とLINEはしてたんだけど、
「ゆっくりしてていい、家のことはいいから」
ととても優しかった。
浮気は全然疑ってなかった。
浮気できるタイプじゃないと思ってたし、元夫は人見知りだから。
で、一カ月して戻ったら、元夫は別人になってた。
ものすごく被害妄想が強くなって、猜疑心の塊になって
「あいつはバカだクズだ、おれを陰で笑ってる」
と悪口ばかり。
その頃夫は出社する直前にウイスキーを飲まないと出社できなくなってた。
『家を出る時はシラフ→電車で会社へ→会社のトイレで飲む→タイムカードを押す』という流れ。
会社でもずっと飲んでたらしい。
夫は私より帰宅が早いので
「帰りに一杯ひっかけてきた」
「先に晩酌してた」
と言われると信じるほかなかった。
この頃から
「飲み過ぎじゃない?」
と注意すると怒鳴られ、物を投げられるようになった。
でも恥ずかしながらアルコール依存症だと思ってなかった。
会社がストレスで酒量が上がったんだと思い、家でくらい安らぎたいだろうから、やさしくして癒やしてあげなきゃと思っていた。
この頃は休日に映画に誘っても(元夫は映画が大好きだった)、ずーっとイライラして怒鳴りつけるだけで、とにかく一人になりたがってた。
私がいると飲めないから。
寝室も分けられた。
その頃の元夫は昔とは180度別人で、つねにイライラして怒りっぽくて、絶えず誰かの悪口を言ってたけど、まだ外面を保つ余裕はあって、私以外の人の前では愛想がよく腰が低かった。
だから
『私にだけ甘えてるのかな』
と思ってた。
で、また親の容態が悪くなって、また十日ほど帰省した。
戻ったら元夫は元夫の残骸みたいになってた。
朝起きた瞬間から飲んで、ぶっ倒れるまで飲み続けて、また起きて飲むという生活になっていた。
会社は全然行けなくなってた。
何がすごいって、歩きながらウンコ洩らすんだよね。
歩きながらボトボト落としていくの。
それ見てやっと『あ、この人病気だ』って気づいた。
でも本人は病院へ行きたがらないし、私よりずっと大柄だから引きずっていけないし、
無理強いしたら暴れるしで、ここでまた悶着があって結局拘束衣着せて強制入院になった。
いったん退院できたけどスリップ(また飲み始めること)して、今度は物を投げるんじゃなく完全な暴力になって、医師に
「あなたはイネイブラー(依存症患者に誤った支え方をしてしまう人)になりかけてる」
と指摘されて離婚した。
その後、元夫はさらに入院とスリップを繰りかえして、今は断酒してる。
GWに映画館に行ったら元夫がいて、少し立ち話したら表面上は昔の元夫に戻ってた。
もう私は他人だから外面を見せただけかもしれないけど、好きだった頃の元夫だったから少し泣けたわ。
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