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兄の自殺中

兄の自殺中を見過ごした怖い話

兄の自殺中を見過ごした怖い話

兄の自殺を察していたけど救急車呼ばずに見殺しにした。
兄はメンヘラで、フラれた彼女に付きまとっていた。

そのことで警察に捕まったこともある。(特に前科がついたわけではなかったみたいだけど)
そして彼女を取った親友への恨みをいつも口にして、復讐してやるとも言ってた。

ある朝、兄の部屋から号泣というか嗚咽の声が聞こえ目が覚めた。
それと『ドンドン』と壁を叩く音も。
最初は

『どうせまた取られた彼女を思って泣いて暴れてるんだろう』

と思ったけど、叫びが嗚咽というより肺にたまった空気を絞り出すような異様さで

『もしかしてこれは自殺をはかってるんじゃないだろうか』

と思い当たった。
一分ほど続いた後静かになったけど、恐くて部屋を見れずに、そのまま二度寝することにした。



『夢でも見たんだ、寝て起きれば何もない、兄に自殺なんか出来るわけない。』

そう思ってた。
元々引きこもりで家族が寝静まった頃に起きてくるような兄だったので、その日一日は何事もないかのように過ぎた。
その時間家にいなかった親はもちろん異様な事態に気付くことなく、兄の分のご飯を作っていた。

次の日、家から逃げるようにバイトに出掛けてた。
休憩時間に携帯を見ると親からの着信履歴とメールがあった。
見ると

「お兄ちゃんが自殺してました。すぐ帰ってきてください」

やっぱりあれは自殺をはかっていたのだ。
ビニールを被って塩素と風呂の発泡剤を混合させてそれを吸い込んでたそうだ。
現場は一切見てないから、親から聞いただけだが、兄の携帯をいじってみると保存メールに、調べたであろうその自殺方法が残ってた。

「ガスを発生させて息を思いっきり吸うと一発で昇天、お疲れ様でした」

あの暴れぷりを思い出すと決して一発で昇天ではなかったと思う。
普通の首吊りと同じように窒息で苦しんで死んだはず。

部屋の整理をしてる時に兄の部屋でバタフライナイフを見つけた。
普段持ち歩く鞄の中に入っていた。

これの使い道を想像するのは容易だった。
だから自分はもしあの時に戻れるとしても、確実に息の根が止まるのを待って救急車を呼びはしないだろう。


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