幼なじみAが去年結婚式を挙げた。
Aは小さい頃から顔に自信が無く、そのせいで七五三や学校写真で逃亡するくらい恥ずかしがり屋だった。
式が終盤になったころ、新郎の親族のおばさんが、

「ブスのくせにドレスなんか着ちゃってさ~。ほんと恥ずかしいわよね~。」

と急に大声を出した。
たぶん酔ったんだと思う。

会場呆然。
しばらく無音になった後、新郎両親がダッシュでA両親に土下座→Aに土下座→A両親に土下座とやった辺りで新郎とAが雛壇から降りて止めた。
黒留め袖だったせいかすごい迫力だった。



その間、新郎家族がおばさんの頭を無理やり下げさせようとして、揉み合いながら退場。
友人テーブルはどうしていいやらでワタワタしてた。
新郎家族が帰ってきたあたりでやっと落ち着き、Aがその場で挨拶しだした。

「みなさま失礼しました。正直私もブスがドレスはどうかと思いましたが、親バカな両親と目の悪い(新郎)くんたっての願いで、こんな格好をしてしまいました。お目汚しとは思いましたが、親しい方々にちゃんと挨拶をしておきたいと思って今日お越しいただきました。」

と。
それから挨拶っていうか、最後の感謝の手紙みたいなやつ。

両親へ、義理両親へ。
最後に、

「結婚式から色々ありましたが、私は(新郎)くんに選んで貰えてとても幸せです。退場なさったおばさまのように険しいお顔にならないよう、おばさまのように酔って騒いで旦那さんに捨てられないよう、これからは二人仲良く笑顔溢れる生活をしていきたいと思います。」

と締めくくり、御開きになった。
おばさんは最後まで見当たらなかった。