大学入学の春から一人暮らしを始め、もう2年になります。
住んでいた自分の見つけ出した格安物件は小奇麗なフローリングのワンルームマンションで家賃とのコストパフォーマンスは最高でした。

大家曰く、自分が住んでいる部屋と、その隣の部屋とはもともと一つにつながっていたらしい。
それを改築して二つの部屋に区切って、整えたというのだった。
その名残りなのかどちらかの部屋で電気をつけたり消したりするとその度にもう一方の部屋でほんの一瞬電気が消える。

その隣人も一人暮らしの人らしかった。
最初こそ隣人の人に遠慮して、極力電気スイッチをいじる回数を少なくしていたが、今ではもうお互い様ということでそんな遠慮もなくなった。




ある夜、パソコンをしていた。
隣の部屋からはかすかに物音が聞こえる。

大家は部屋を区切る際に防音にはしっかり配慮したというが、やはり完全ではないのだろう。
生活音程度ならほとんど消音できたいるのだが…

気にせずネットサーフィンを続けていたが、急に物音がドタンバタンとあわただしくなった。
なんだと思って壁の方に向き直ったら、自分の部屋の電気が一瞬消えた。
そしてそのまま物音は聞こえなくなった。

『もしかして暗い中で電気のスイッチを探していたのかな?』

だなんて思って、パソコンに戻る。
と、ほどなくして隣の部屋のトビラが開く音がした。

『あ、それじゃさっきのは電気を点けたんじゃなくて消したのかな??きっとドタバタと外出の準備をしていたんだな。』

……なんて一人で勝手に納得して、youtubeで音楽でもと思い、イヤホンをつけようとしたとき、また一瞬電気が消えた。
ま、このくらい遠慮なくパチパチやってくれたほうが、こっちの気兼ねもないってもんかな。
そのあとは眼をつぶってずっと音楽を聴いていました。

翌朝になり、大家さんに会ったので挨拶をすると

「隣人の人は2週間前に引っ越した事を聞きました」