休日、ゼミの課題を一人暮らしの自分の家ですることに。
カレーをご馳走したところ、めちゃくちゃ好評だった。

隠し味を入れているけど市販のルーを使ってるだけのシンプルなカレーだけどね。
翌日仲間内で『俺のカレーが美味かった!』という話題で盛り上がる。
ゼミ外の仲間が

「俺も食いたい!私も!」

とすごい食いついてきたので、週末一緒に作って食べようとなった。
駅まで迎えに行くと、同じゼミでもなく話したこともないA子がいたが、他の誰かが呼んだのかと勝手に納得した。
材料は自分を抜いたみんなで割り勘ということになってたけど、A子が

「えぇ?お金取るの?」

と言い出した。
他の仲間は

「そりゃ場所を提供してもらうんだし、光熱費だってかかるんだから当然でしょ…」

という感じ。
それでもA子は

「プロでもないのに…」

とぶつぶつ言いつつも金は払った。
その瞬間だけ空気が悪くなったけど、そのあとはみんなで料理して、美味い美味いと好評で自分も嬉しかった。




カレー会の一月後、仲間に

「カレー次いつ作るの?また食べたい」

とか冗談ぽく言われて、

「今日作ろうかな」

と返答したところ、

「今日は予定があるからいけない!」

みたいな感じで終わったのだが、何故か家に帰るとA子が玄関前にいて

「カレー食べに来たよ」

と一言。
マジで混乱した。

『そんなにカレーが気に入ったのか?』
『それとも自分に気があるのか?』
『食った後告白されるのかな!』

とかドキドキしながら待ってたけど、食ったらそのまま帰ってった。
あ、本当にカレーが食いたかっただけなんだ…

あの女は一体何なんだ。
そのあとはA子が直接自分に

「カレーいつ作るの?今度は?」

と聞くようになって、その後も2回ほど家に来てカレー食って帰るってのを繰り返した。
こっちも仕送りで生活してるから余裕があるわけじゃないので

「これで最後にしてね」

と伝えると、急に鍋を洗い出した。
節約術というか鍋を洗う手間を少しでも軽くするため、自分はカレーをお玉1杯分だけ残しておいて最後にカレーうどんを作る。
そのお玉1杯分のカレーが残ってる所に水をジャーっと入れられたので、

「お前何してんだよ!」

と怒鳴ったら逃げるように出てった。
翌日、仲間がニヤニヤしながら、

「お前A子にフラれたんだって」

と。

「A子は自分と付き合っていたが家事の仕方が悪いと怒鳴られたのでこんな男は無理と思って振った」

という話を吹聴しているらしい。
A子との接触なんてカレーを食わせただけだったのに、あれが付き合っていたことになっていたのか、そしてフラれたのかと衝撃を受けた。
最初からA子の話を誰も信じていなかったのだけが救い。