集団下校の帰りに、ある兄弟が友達に

「誕生日なんだ」

と話していた。
道草をして家に帰ると、台所からカレーの良い匂い。

「やった、今日はカレーなの?!」

と喜んで兄弟が台所へ行くと、

「あぁ、そうだよ、お前の誕生日だからね」

と聞いたことのない男の声。
足元には、刺された母親の死体。




あまりのことに兄弟が凍り付いていると、エプロン姿の男は二人を椅子に座らせる。
カレーを完成させた男は、向かい側の椅子に座るとハッピバースデイを歌い始める。

「幸せかい、幸せだろう」

と男はニタニタと笑いながら、カレーを食わせる。
二人が震える手でカレーを食べ終わると、男は立ち上がってエプロンを脱ぎ、玄関から出て行ったそうだ。

父親が帰宅すると、放心状態の息子達と妻の惨殺死体が……
と、いう『幸せオジサン』とか『カレーおじさん』とか『エプロンおじさん』という名前で、うちの田舎で語られていた話。