転校した先の小学校の1学年上に、『超音波』ってあだ名の女子がいた。
ある日の授業中、突然外から

「うわあああ~!!」

という女の子の泣き声がした。
私1人だけびっくり、クラスメートと先生は一瞬ピクッてしただけで平然と授業している。

泣き声は止まないまま授業を終えて、校庭を見たら女の子が立って泣いてた。
クラスメートに聞いたら

「ああ、あれ?超音波」

と無関心な様子。
詳しく聞いたら
————–
・ドッヂボールで当てられた、授業でさされたけど答えがわからない、友達がこっちを見て笑った等の些細なことで号泣する
・学校中に響き渡る泣き声なので、あだ名が「超音波」
・一度泣き出したら2時間くらい泣き止まないし、てこでも動かないから先生たちも放置してる
・月に3回くらいこういうことがあるから、誰も気にしない
————–

結局その女子は次の授業が終わるまで泣き続けていた。

『こんな人がいるのか…』

と衝撃だった。




しばらくして、掃除の時間に玄関を通りかかったら『超音波』がいた。
箒で床を掃く腕を止めたかと思うと、突然

「うわああ~!!」

と泣き出した。
別に誰も何もしてないのに、本当に突然だった。

遠巻きに見る人は私だけで、みんな横目でちらっと見て通り過ぎるだけ。
先生が来るが話にならない。

同じ掃除班と思われる人たちが面倒くさそうに

「私の掃除する所にだけ埃や砂が多いって言ってました」

と答えていた。
やはり彼女は2時間くらい泣き続けてた。

『よく声が枯れないなぁ』

とか、

『涙って尽きないんだなぁ』

とか思ったのを覚えてる。
1学年上の彼女が先に卒業するまで、月に何度も号泣したので私も慣れた。

私が中学生にあがった時、彼女は号泣をやめていたようだけど、過去の号泣話は語り継がれていた。
ちなみに、それ以外は普通の子だったみたいで、特別学級とかには入ってなかった。

親が来たりしたのを見たこともない。
不思議な人だった。