都内に住むYさんが会社から帰宅すると、彼のアパートの部屋の前に一人の女性が立っていた。
彼女はYさんが以前に少しだけ付き合ったことのあるKという女性で、半年前にYさんから別れをきりだし、もう会うことはないはずだった。

ところが女性の方はYさんを忘れることができず、毎日のようにアパートを訪れるようになっていた。
あまりにしつこく毎日のように姿を見せる女性を気味悪く思ったYさんは、私のとこに相談に訪れた。
最初は私も、悪質なものではないだろうということで、様子を見るようにとYさんにアドバイスをした。

ところが1ヶ月後、Yさんが家に戻ると部屋の前には彼女の姿がなかった。
安心してドアを開けて部屋に入ったYさんだったが、彼はそこで息をのむ。
彼女は部屋の中で待っていたのだった。




管理人にドアを開けてもらったという彼女にYさんは、

「自分にはもう彼女ができたので、いい加減彼女面をするな」

とおもわず怒鳴ってしまった。
すると彼女は突然立ち上がり、片手に持っていた剃刀をゆっくりと持ち上げ、何故か微笑みながら自分の手首におろした。

驚いたYさんは彼女を病院に運び、一命を取り留めたKはそのまま入院することになった。
彼女のこの異常な行為が恐ろしくなったYさんは、彼女が入院している間に東京での仕事を辞めて実家のある長野県に引っ越した。

ところが引っ越してから3ヶ月後、彼は想像を絶する恐怖に襲われることになる。
仕事から戻って家族のくつろぐ居間に行くと、なんとそこにはストーカーの彼女が楽しげに家族と話していたのだ。
驚きのあまり声の出ないYさんに、母親は

「あなたのお姉さんになるのよ」

と言った。
Kは立ち上がり、

「はじめまして。Kです。よろしくね、〇〇さん」

と言った。
彼女は、Yさんの兄と結婚することになっていたのだ。
ストーカーが自分の兄と結婚するという、信じられないような結末。

彼女はその後、本当に結婚して子供までもうけたという。
これで2人は一生付き合い続けなけらばならないのだ。
これが、彼女の望んだ形だったのだろうか。