うちの嫁はいつでも化粧バッチリでお出かけ大好き買い物大好き、家事一切しないメシマズヒス嫁。
でも長いこと付き合っていて情もあったし、『この子は俺がいないと!』という共依存的な考えもあってずっと我慢してた。

ある日家に帰ると、部屋が綺麗になっていた。
うまい飯も用意してあった。
風呂も綺麗になっていた。

『離婚を言い渡されるのか、なにか嫁がやらかして機嫌をとろうとしているのか』

と疑心暗鬼になっていたが、何もない。
それから半年、ずっと快適な生活が続いている。




嫁は朝早く起きて掃除をし、俺の靴を磨き、朝食と弁当を作る。
家に帰れば玄関まで迎えに来て鞄を受け取り、

「ご苦労様でした」

と声をかけてくれる。
当然のように夕食と風呂が用意されていて、疲れているときはマッサージ。

「5万の小遣いじゃ足りない!」

と喚き、

「薄給のくせに」

と罵っていたのに給料日に頭を下げてくる。
嫁の小遣いは5万から1万になった。
それでも余るらしい。

毎週服を買いに行っていたのに、今じゃシーズンごとに1着買うか買わないかくらいだ。
ちょっとしたことでも『ありがとう』と『ごめんなさい』が自然に出てくる。

態度も、性格も、表情も、仕草も、価値感も、まるで別人だ。
今までの嫁は宇宙人にさらわれて、脳をいじられたのではないかと本気で考えている。

今日帰ったら、離婚を提案するつもりだ。
この上なく快適な半年だったがもう無理だ。

怖い。
あいつは誰なんだろう。