突然警察が訪ねてきて

「ちょっとお話聞かせていただけますか」

なんて言う。
何の件かと訊ねたら

「ひき逃げの被害届が出たので調べに来た」

と。
被害者の証言した車両の車種と色が俺の車と一緒なので見せてほしいという。
まったく心当たりがないので

「どうぞ」

とガレージに案内して見せたら、車の助手席側後部に軽いへこみ傷があったのを指摘されて、そこについていた塗料が被害者の自転車のものと一致した。
自分自身いつついた傷なのかもわからないくらいの傷だった。



いきなり逮捕ということではなかったが、

「この時間どこで何をしていたのか」

尋問口調になったのでものすごく怖かった。
独身で従業員もいない自営業なので証人もいないしと頭ぐるぐるだったわ。

当時の手帳やスマホのGPS履歴(Googleのタイムライン機能とかいうやつ)からそのとき自分がいた時間と場所を特定できたが、被害者のいう事故現場の近くだったので

『まさか自分が?』

と冷や汗かいた。
被害者は信号待ちしていたら横を通り過ぎて行った自分の車にひっかけられたと言っているらしかったがまったく覚えがない。

ただ冷静になってみれば、その時間を含む2時間ほど客先に滞在していた頃で駐車場がないのでコインパーキングに停めてたんだよ。
被害者がぶつけられたという交差点から数百m離れたところのパーキングだった。

「客に聞いてくれても構わないし、パーキングに監視カメラがあると思うから、それをぜひ確認してくれ」

と警察に頼み込んだ。
結果から言うと、頭から突っ込む形で駐車していた自分の車の後ろにふらふらっとやってきた自転車がぶつかったのが映像に残ってて無実が証明された。

見知らぬ相手なので目的まではわからないが当たり屋かなにかだろうか?
ここから先は虚偽告訴罪だかなんだかで警察と相手の話題に移ったらしい。
俺も民事で訴えることができるからと警察に慰めてもらったが、まだ頭が冷静になり切れてないので対応は検討中。