昔の職場に測定する試験機があって、当然決まった操作を要求されるわけだど、遠心分離に10分とか試料の安定に5分放置とか測定に10分など、全体的に面倒。
総合的に1時間以上かかるものだった。

元は自分が担当だったのだが、新しい試験機が入るので、自分が新型、中途採用が元の試験機を担当。
そいつが担当してからやけに試験機の回転が良くなったなとは思っていたものの、自分の担当ではないので無視してた。

一ヶ月ほどして、どうにも結果が芳しくないと手順を再確認してみたら、そいつの所業が公になった。
そいつは自分の感覚と経験で工程を短くしても結果が変わらないからと、勝手に各工程を短縮して計測していた。

確かに結果として正式な手順と得られたデータに差異はなかったのだけど、なんのための統一工程なのかまるでわかっていなかった。
上司に叱責されても、

「結果が同じだから自分は正しい」

と頑として譲らない。
結果が同じでも工程が違ってしまえば、それまでの測定結果と比較することができないという、余りも初歩的な理由が理解できないようだ。
結局、元担当である自分がそいつの担当した試料をすべて再測定することに。




結果は先に書いたけど差異はなかった。
するとそいつは鼻高々に

「ほら自分が正しい」

と上司に食って掛かった。
上司は冷静に工程を無視した結果は正常ではないことを告げたが、全く理解できないようだった。

結局、その同僚は担当を外され、別の試験機担当となったのだが、今度はどうやっても短縮してはいけないもの。
周りの予想通り、勝手な工程短縮で試料をゴミにした。
厳重注意後の二度目の所業ということで即日解雇となった。

その後労基から解雇に関する確認があったらしく、そいつのやったことを全て文章にあげて郵送した。
その後労基からは何の連絡もなし。

結局、試料の不出来(生産工場のミス)がわかったのだけど、ヘタしたらうちの会社が訴えられてもおかしくない案件だった。
なにせ、正当な手順を踏まずに測定した結果を提出する事態になっていたかもしれないからだ。

ただ自分とかに、相談してから工程短縮をしていたら、それが標準になったかもしれないのにとは思った。
実際には試験機メーカーの保証外的な使い方になるので、極端な時間短縮は無意味なんですけどね。