東北の地震のとき、私は漫画喫茶でバイトしてたんだけど、関東もすごい揺れたからお店のパソコンはもちろん、一万冊くらいの本も全部でちゃって、すんごい大惨事だったのね。
お客さんも慌てて逃げてたけど、従業員で協力して怪我人もなく済んでよかったってなってさ。

それから電車とか交通機関が麻痺しちゃったから次の番のバイトも来れなくて、お店閉めようとしたんだけど、どこのホテルも満室みたいだったし、漫画喫茶も最寄り駅にはうちぐらいしかなかったから避難場所みたいにしたんだ。

みんなパニクってはいるんだけど、本当にありがとうとか言ってくれた人もたくさんいたし、ガラスの破片を掃除するのを手伝ってくれた人もいた。
お客さん同士で気遣いあってたり、情報共有してたりと、みんなで助け合ってたんだよ。

東北の津波の被害はもちろんショックだったけど、自分は自分の状況下で出来る限りの助け合いができたと思ってたから、とにかくこの地震の被害も出来る限りの助け合いがこれから必要だよな、なんて考えてた。



そこで2日か3日くらいして、ようやく友達や知人などと連絡とれて安否の確認してたときに、キャバクラの仕事やってる友達と連絡がとれたんだ。
そしたら信じられない話しをされた。

地震のとき、彼女は出勤だったんだが、地震が大きくなってきて店内のBGMも揺れによって途切れ途切れになったりして、これはヤバいんじゃないかってくらいになってもお客はみーんなどんなに揺れてもお酒のみながらガハガハ笑ってたらしい。
女の子たちがさすがに避難しようとしても、大丈夫だと笑いながら席に座らせようとしたりしたみたい。

更には、友達は次の日はさすがに休ませてほしいと言ったらしいんだが、オーナーに

「なにいってるんだ。“○○さん大丈夫?無事なら顔が見たいよ~”とかメールして、客を呼び込むチャンスじゃないか」

と言われたらしい。
私はこの話しを聞いて心底ゾッとした。
助け合う人間も同じ人間なのに、人間て怖すぎるって思った。