私は主犯ではなくて、共犯の話。
御近所の犬が妊娠した時、別の御近所で医学部に通ってたお兄さんがこっそり帝王切開した。

人なつっこい犬で、私にもお兄さんにも良くなついてたから夜中に連れ出して廃校になってた小学校に連れて行った。
夕方に計画を打ち明けられてた私は懐中電灯を3つ持って付いて行った。




助手もやるつもりでビニール手袋も持参。
お兄さんは

「動物にも効くはずだ」

と言って縛ってた犬になんか注射した。
そしたら犬が痙攣し始めて、舌がだらーんと伸ばしたまんま静かになった。

手術自体は無事成功して数匹の子犬が産まれたんだけど、母犬は目を覚まさなかった。
校庭のすみっこの目立たない所に埋めた。
子犬は二人して飼い主のとこに戻した。

次の日には大騒ぎになってたけど、私たちはしらばっくれて通した。
黒い過去を共有すると疎遠になるって言うけれども、私たちは逆で結局十数年後になって結婚した。
旦那は外科、私は婦人科の看護師やってるけど、手術の助手に入る度にいつもあの日を思い出す。