このあいだの日曜日、久しぶりにタクシーに乗った。
たいした距離ではなかったが、道に迷ってしまったからだ。

目的地を告げてタクシーが走り始めた途端、運転手がバックミラー越しに俺の方をずっと見ている。

『何だろう?』と思っていると、

「馬場君だよね?」

と突然言う。
確かに俺は馬場君だが、この人のことは全く覚えが無い。
俺がきょとんとしていると、

「俺だよ、山田だよ。●●小学校5年2組の時の同級生の」

と言う。




確かに俺は●●小学校5年2組だったし、この人の言っていることは合っているのだが、やっぱりこの人に対しての記憶が全く無い。
それでも色々と昔話をするのだが、その全てが俺の記憶にあることで、話の中に出てくる友人の名前も仲の良かった奴ばかりだった。

目的地までの間、懐かしい話で盛り上がり、俺はその人のことを忘れているだけでそのうち思い出すだろうと思い始めた。
そして別れ際に家の電話番号を交換して、後日電話してみた。

すると、『お客様のおかけになった電話番号は現在使われておりません』とのアナウンス。
実家から小学校の時の卒業アルバムも送ってもらったが、どこを見てもあの人はいなかった。

『一体あの人は誰なんだろう?』と思う今日この頃。