俺が高校生の時、中学の頃のクラスメートがバイク事故で死んだ。
暴走してカーブを曲がり切れなかったと聞いたが、その行為がにわかに信じられないくらい、大人しくていい奴だった。

当時の俺は色んな事が重なって凄く落ち込みやすくなっていて、漠然といつも『死にたい』と思っていた。
そのせいか、彼の葬式の時も、悲しみよりそんないい奴が死ぬ世の中に対して嫌な気持ちでいっぱいだった。

『俺が死んだらこういう風にみんな泣くのだろうか』

とか、

『もしこれが俺の葬式だったら』

などと、ぼーっと考えていた。




そして、葬式の最後にクラスメートが一人ずつ御両親に会釈して帰っていたが、俺の順番がまわってきたので同じように会釈した次の瞬間、

「あなたが死ねばよかったんじゃないの?」

と故人の母親がぼそりと呟いた。
俺はビックリするよりもゾクッと寒気がして、顔を上げると周りの人達が驚いた顔をしていて、言った本人も何故そんな事を口にしたのか分からないといった感じだった。

その後は何度も謝られたが、俺は真っ青になって家に帰った。
あれは一体なんだったのだろうか?
今でも分からない。

もしかすると、おばさんに俺の考えが伝わっていたのか?
それとも、俺の考えを読んだ何者かが、おばさんの口を借りたのだろうか?

『まさか死んだアイツが…』

とも頭によぎったが、あんないい奴がそんな事を言うとは思えない。
いや、思いたくない。