もうだいぶ昔の話だが、親友に彼氏を奪われていた。
なんで発覚したかというと、彼は毎晩私が寝る前に電話をかけてきてくれたのだが、そのときは後ろがにぎやかで

「どっかで呑んでるの?」

と聞いたら、

「うん、友達と一緒」

と言っていた。

「あーそうなんだ、おやすみー」

と平和に寝てたら、また電話が鳴って出てみたらA子(親友)だった。
(当時はまだ携帯が普及してないころ)
まだ学生で、夜中に電話でおしゃべりすることもしょっちゅうあったんで、

「あーA子、どうしたの?」

と言った瞬間に受話器から聞こえてくるざわめきがさっきの彼氏の電話と同じことに気づいた。

そして何もかもが一気にわかった。

「…彼、いるんでしょ?出して」

と静かに言ったら、

「うん…」

と返事があって、しばらくして彼が電話に出てきた。
(そこからすげー修羅場)

私の親友は当時不倫相手と別れたばっかりで、すっかり不倫体質になったらしく、次のターゲットを私の彼氏にして、言葉巧みに呼び出して何度も会っていたらしい。
それまでは昼間に会ってたけど、初めて飲みにいって、彼が

「ごめん、ちょっと」

と席を立って店の公衆電話でニコニコ電話してるのを見て私と電話してると悟り、カッときたらしい。
で、自分で電話して『彼といるの』と高笑いしてやろうとしたら私に先手を打たれてビビったらしい。

もちろんそのまま別れた。
すげー優しい彼氏だったし、彼女とも付き合いが長かったので、世界が崩れ落ちるような衝撃だった。
二人ともそんなそぶり全くなかったし。

でも人間の感覚ってすごいなーと思った。
ほんのかすかなざわめきから、雷に打たれたようにすべてが分かったあの瞬間は人生でベスト3に入る衝撃だった。