バイト帰りでした。
いつもの帰り道を自転車で疾走していたら、前方のやや脇に老婆が…
別に気にせず通過しようと思っていた矢先、老婆が呼ぶ。

「い〜ぅ〜#$*!$$$&’(()0&%$#」

何を言っているのか、聞き取れない…

しかし困った様な、助けを求めるような、そんな表情で近づいてくる老婆。
なんだか分からないので停車した。
そして凄い形相で、腕を掴んでこう言った。

「のせてってぇ〜!ねぇ〜おねがいいい!」

ビビった。




そして老婆の背中に何かチラっと見えた。
紙の様なモノが…

「ねぇぇ!おねがいい!お兄ぁぁさん!!」

倒れ掛かるように腕をがっちり掴んで離さない。

「おばあさん!危ないから!落ち着いて!」

「病院にいかなくちゃいけなのよお!」

急を要する感じだったが、どう見ても老婆はピンピンしてる。
しかし老婆は腕を離さないどころか、自転車を奪おうとする。

「ちょっと!!お婆さん!ちょ、待って!お婆さんの家はどこなの?」

この時点でなんとなくわかっていたが、老婆の背中を見て確信した。
赤い字で『相手にしないでください』と書かれた張り紙。

掴まれた腕を軽く振りほどこうとしたら、老婆はわざとらしく尻餅をついた。
介護の大変さを感じたが、人間の怖い部分を見た気がした。