昔痴漢冤罪で捕まりそうになった事がある。
電車を降りたら女子高生に腕を捕まれて、

「触りましたよね?痴漢です!」

って騒がれて、駅員だけじゃなくて人も集まってきてマジでテンパった。
勿論俺はやってないし、第一両手で吊革掴んでるんだから触れる訳がない。

だけど偶然俺が両手で吊革掴んでたのを見てた女性がいて、俺の無実を証明してくれた。
なのに女子高生は俺に間違えた事を謝ったりせずに文句を言いながら居なくなった。

『何なんだよ…』

って思いながらも女性にお礼を言ってその日は普通に出社。
でも暫くしてからまたその女子高生を目撃した。




向こうは全く覚えてない様子だったが此方は忘れたくても忘れられない顔。
あの日のイライラが込み上げてきて、自然と目で女子高生を追っていた。

すると女子高生が斜め後ろの20代くらいの若いサラリーマンをチラチラ確認してるのが分かった。
サラリーマンは全く気が付いてないようで携帯を弄りながら片手に鞄、たまに揺れたら吊革を掴むの繰り返し。

『なんだろう?』

と思いながらも自分の降りる駅で降りたら、

「痴漢です!」

って声が聞こえた。
声の主は例の女子高生、痴漢と呼ばれたのは女子高生がチラチラ見てた若いサラリーマン。
否定する若いサラリーマンに女子高生は

「胸を触られた!」
「スカートの中に手を入れられた!」

とか色々言ってて、確信した。
これは冤罪でこいつは確信犯だって。
イライラがピークに達して、無実を証明してやろうと口を開いたら思わず

「触ってたのは女の方!男は被害者!」

って叫んでしまった。
俺、

『しまった!』

と思いテンパる。
女子高生、

「してない!」

と叫びながらテンパる。
駅員、女子高生と若いサラリーマンを交互に見ながらテンパる。
そんな中若いサラリーマンは強かった。

「触られたのは俺の方!」

ってキレ気味に言い放った。
女子高生、更にテンパる。
周りから

「痴女?痴女だって」

と言う声が聞こえだす。
居ずらくなったんだろうね、女子高生走って逃げてった。

若いサラリーマンは駅員に

「追い掛けたりしなくて良いですから」

と笑顔で言って、俺もお礼を言われた。
結局そのまま出社したわけだけど、それから2度とあの女子高生を見ていないし、未だに何であの時あんなことを言ったのか自分でも分からない。