娘が携帯電話を欲しがるもので、3件にだけ電話をかけられる子供用携帯を誕生日に買ってあげた。

『防犯ブザー代わりにもなる奴だし、便利かな』

と思っていた。
携帯をプレゼントして1ヶ月くらいたったある日、娘が深刻そうな顔をして学校から帰って来た。
話を聞くと、

「A伽ちゃんが帰り道、私が携帯で写真撮ったって…」

と、あまり良く分らない説明をされて私は

「A伽ちゃんが帰り道に娘に『私(A伽ちゃん)の写真撮って』とでも頼まれ、娘の携帯に、撮影機能が付いていないため困っているのか」

と勝手に解釈してしまい、その場を曖昧に済ませてしまった。
数時間後、知らない番号から電話が来て、電話に出てみたらいきなり

「この盗撮女!!」

と怒鳴られた。
最初は間違い電話だと思って

「あの、どちら様でしょうか」

と訊いた。
相手はA伽ちゃんの母親だった。
A伽ママの話によると

「M紀(私の娘)ちゃんがA伽を勝手にケータイで撮ったのよ!!」

と、とにかく私は

「娘の携帯には撮影機能が付いていないからそんなことはできませんよ」

と、言い張った。
でも通話口から聞こえてくる声は

「お前の娘が盗撮した」

とか

「サイトに載せられる」

とかで全く聞く耳持たず。
とりあえず

「娘の携帯に撮影機能は付いていない」

を貫き、電話を切った。



そして次は小学校からの電話。
予想はしていたが、A伽ママはその盗撮疑惑を小学校にまで喋ったようだ。
小学校側からは

「8時に学校の校長室へ来て欲しい」

と。

『娘の携帯を持って行って撮影機能が付いていないことを示せば終わる』

と思って小学校まで向かった。
小学校の校長室前まで来た時、怒鳴り声が聞こえた。

「とにかく!ここに拇印押してちょうだい!!!」

少しためらったが、ドアをノックして校長室へ入る。
そこで私の目に飛び込んで来たのは、A伽ママが校長先生に謝罪書を書かせているシュールな光景。

A伽ママは私の存在に気づくや否や校長室のカギを閉め、怒鳴り散らしてきた。
私が娘の携帯を出して校長先生の目の前で撮影機能が無いことを教えると

「違う携帯を持ってきた」

とか言って否定。
全部否定。
そして終いには娘の携帯を踏みつけて壊し、さらに事態が悪化。

結局それは11時まで続いた。
被害届を出したらまた電話が掛ってきて、正に修羅場。