怖い話というか、俺のトラウマとなっている出来事を一つ。

小学生低学年くらいのとき、俺はよく祖母の家に遊びに行ってたんだ。
祖母の家の近くには公園があって、よくそこで年は近いけど名も知らないような子と遊んでいた。

いや、正確には知ってたけどもう忘れた。
色々な事をして遊んでいたけど、そのうちの一つに、

『ジャンケンで負けた子がブランコに乗り、その子に向かって全員で石を投げつける』

という、今考えると結構笑えないような遊びがあった。




それでその遊びをしているとき、ジャンケンに負けた子、仮にAとしておこう。
A君が石を投げつけられた痛みでブランコから手を離して転落してしまったんだ。
幸いにも軽傷ですんで、A君も大丈夫そうだったんで、その日はそのまま鬼ごっことかをした後、明日も会おうと約束して解散したんだ。

そして翌日、いつもの公園で早めに来た数人で皆を待っていると、A君が叫び声を上げながら走ってきて、こちらに向けて包丁を投げつけて来た。
そしてA君はそのまま何処かへ走り去って行ってしまった。
前日は別に怒った素振りも見せず、笑って

「また明日ね」

などと言っていたA君が、だ。
A君の豹変ぶりは一体なんだったんだろうか。
包丁は俺の足に直撃したけど、運よく柄の部分に当たり無傷で済んだ。

しかし俺はその事件以来、大声やこちらに向かって走ってくる人間に対して異常なまでの恐怖心を覚えるようになった。
大学の男友達と富士急のお化け屋敷に入ったときに、余りの恐怖にガチ泣きして男友達に抱きついたりする程度には怖い。
そういう意味では、A君の行動は俺の心に確かな傷を残していったよ。