父親はものを全く捨てることができない。
本当に全く。
想像を絶するほど捨てない。
…………ゴミ箱をろくに使わない人である。

たとえば、袋に入ってる菓子パンとかお菓子食べ終わったら普通の人(?)はその袋捨てるよね。
私のお父さんは捨てない。
どんな袋でも捨てない。

ポイントシールがついてるとかバーコードを集めておまけがもらえるとか、そういう袋を捨てないならわかるけどなんの役にも立たない袋を全く捨てない。
だいじにだいじに収集して車の中にためこむ。

みかんのむいた皮も捨てない。
だいじにだいじに車の中にとっておく。

穴の開いた靴下もぼろぼろになった服もだいじにだいじに車の中にとっておく。
弟や私が小さいころ使っていたクレヨンの箱(中のクレヨンはもうほとんど残ってない)も壊れたトミカもビーズのおもちゃもだいじにだいじに車の中にとっておく。

よだれやら油で薄汚くなった枕もだいじにだいじに車の中にとっておく。
割れたコンパクト鏡もだいじにだいじに車の中にとっておく。
もう空になった8×4もだいじにだいじに車の中にとっておく。

………父の車は運転席以外もうモノでいっぱいです。
ヒトのれません。




父親は仕事以外のほとんどの時間を車の中とか、これまたいらぬものをためこんでる車庫で過ごす。
休日とかほぼ一日中そこにいる。
車とか車庫にあるものをゆっくりゆっくりいじくって過ごす。

ちなみに着てる服はおんぼろ。
お風呂とか食事とかトイレ以外は家のなかにいない。
寝るときも車。
がらくたをいじくってるときの父親はうっすら微笑んでる。

なんかお菓子の袋小さく小さくたたんだりタオルで汚れたものをぴかぴかに磨いたりしてる。
ちなみに服がぼろぼろなのは金がないからでなく(家のタンスのなかにまともな服はいくらでもある)ただ単に全くかまわないだけ。

そんな父がモノを捨てまくった時期が一度だけあった。
3年前、同居していた父親の母親(私にとっては祖母)がなくなったとき。
父親は血がつながってるのに祖母のことがだいっきらいだった。
(ときどき死ねとか言ってた。あと近づいてきたら舌打ちもしてた)

そのせいか父は祖母が使っていたものをぜえええええええんぶ捨てた。
祖母が着てた服とか庭で燃やしてた。
アルバムの写真とか使ってた食器とか、裁縫箱とかも捨てた。

ちなみに食器は床にたたきつけて粉々に割ってから捨ててた。
あと手作りのちりめんのマスコットとか折り紙細工も捨てたよ。

家族全員びっくりした。