AちゃんとSちゃん、Eちゃんは、幼稚園で出会い仲良くなりました。
いずれも娘が第一子、家も結構近くて、幼稚園の行事の時だけではなく互いの家を行き来するようになりました。
クリスマスやハロウィンには合同でホームパーティを開いたり、ママ達だけでランチに行ったり、ごくごく普通の仲良しママでした。

おっとりした性格のAちゃん、しっかり者のSちゃん、おとぼけたEちゃんと、ママ達の個性はそれぞれ。
娘達はいずれも元気で社交的な子達。
たまに小さなケンカをするくらいはありましたが、ママ達でおさめていたのでもめたことはありませんでした。

しかし、ご家庭の事情によりEちゃんが急に引っ越しをすることになりました。
その時インフルエンザにかかっていたAちゃん親子は見送りに行けませんでしたが、Sちゃん親子に宜しく伝えてくれるよう頼みました。
それからは3人組が2人に変わったわけですが…
何だか関係も変わってきます。




これまでEちゃんが受け流していたので気に留めていなかったSちゃんの物言いが、Aちゃんにはキツく感じるようになってきました。
和やかな話題より、他の人の悪口も増えていきました。

ちょっと距離を置いたお付き合いをした方がいいのかな、と思ったAちゃんは、ランチの誘いを断ることが増えてきました。
娘同士も他のお友達と仲良くなったりで、2人の関係はなんとなく距離があいてきました。

ある日、Sちゃんの娘がAちゃんの娘に怪我を負わされた、とSちゃんから幼稚園にクレームが入りました。
娘2人がケンカしている最中に、Aちゃん娘の爪がSちゃん娘の首に引っかかってしまったようで、少し血が出たとの訴えでした。

ケンカ自体はよくあることで、先生に促されすぐ仲直りしたのですが、Sちゃん夫妻は幼稚園に乗り込み、先生方の対応の不手際とAちゃん娘の凶暴さを責め立てました。
幼稚園から連絡を受け驚いたAちゃんは、お詫びをするためすぐに幼稚園に向かいました。

幼稚園に着くと、これまでと一転した態度で今までどれだけ娘達がよくケンカしていたか、その際にAちゃんが娘を注意するのが足りなかったかをまくし立てるように語るSちゃんの姿が。
これまではケンカの際に

「いーよいーよ、大丈夫!」

なんて話していたことも…
本当は子どもが可哀想だったけれども我慢していたこと、として語られます。

「え?そんなふうに思っていたの?仲良しじゃなかったの?」

頭が混乱して、くらくらしてきたAちゃん。
さらにSちゃんは、タブレットを取り出して言いました。

「これまでAちゃんの娘とケンカして、ウチの娘が受けた被害は全部写真に撮ってあります!あなた、Eちゃんが私に先に引越の話をしたから嫉妬していたんでしょ?娘を使ってやり返すなんて卑怯よ!」

あまりの事態に固まるAちゃん。
謝罪の場に同席していた園長先生や担任の先生方も、Sちゃんのあまりのキレっぷりに固まりました。
とにかく怪我をさせたお詫びをしたいと話しても、逆上中のSちゃんの耳に届くことはありませんでした。

結局、幼稚園が間に入ってもらう形でAちゃんが謝罪して事態は収まったのですが、以来Aちゃんはすっかり落ち込み、人間不信に陥ってしまいました。

これまで仲良くしていたと思っていたのに、あんな写真をいちいち細かく記録していたなんて…
3人の関係をそんな風に思っていたなんて…
あんな風にいきなり糾弾されるなんて…

あなたがいつも会って仲良くしている人は大丈夫ですか?